安心して生活するための老人ホーム選び

安心して生活するための
老人ホーム選び

現在のお身体の状況はどうですか・・?
ご自身で歩けますか?ご自身で入浴ができますか?認知症状はありますか・・

お一人お一人、抱えておられる課題は違うと思います。何故、高齢者施設に入居されるのか、しなければならないのか整理を行い、ご状態に応じた施設をまずは探すことが先決です。

シニアスタイルの池野です。
今日は、安心して生活するための老人ホーム選びについて考えてみたいと思います。

老人ホームといっても色々あるよね、最近だとホテルみたいなとことか!

一歩施設に入るなり、コンシェルジュなどがお待ちしていたり、まるでホテルのような豪華な内装、それにお食事も充実していて、煌びやかな老後が目に飛び込んでくるかと思います。

それとは逆に、片付いてなかったり、匂いがしたり、、、
目にはいってくるなり「ないわ〜」ってなる施設もあるとか。。。

そうですね。そのような施設も残念ながら存在します。
多くの方は、普通の施設を探され、入居される事となるのが一般的です。
その中で、この施設に来てよかったと思える出会いになれば本当に素敵なことですね。

人間は必ず歳を取り老いていきます。
歩けていた足は思うように動かなくなり、見えていたものが見えづらくなり、元気だった身体は、様々な病気と闘うことになり、明らかに若いころとは違う状態となります。
でも、人というのは、最後の時まで自分で歩き、排泄を行い、食事が摂れると誰もが信じている。
今このコラムを書いている私もそう信じている一人です。介護の業界に長年携わってきている私でも、心のどこかで私は大丈夫と思っています。というより思いたいのが事実かもしれません。

今後自分が老いたとき、介護が必要となった時、本当に向き合い親身になってくれる施設こそ安心して生活ができる施設だと私は思います。

どんなに煌びやかな生活があっても、本当に介護が必要となった時、煌びやかな施設を退去し、コンクリートで覆われた施設へ転居しなければならないとなった時、どんな気持ちになるのだろうと想像してしまいます。認知症となったら、ほかの方との共同生活が難しいので、退去してください。残念ながらそんな話もよく聞きます。

介護施設というものの観点が、今の世の中は少しづつ、狂いつつあると私自身は感じています。もちろん、余生を楽しむために高額な施設へ入居され、ホテルのような暮らしもうらやましい限りです。その方その方の幸せだと思う生活の実現のために施設を選んでいくことは否定しません。が・・本来、介護施設というものは、安心して安全に自宅で生活ができなくなってしまった方のためにあるものだと思っています。これは勿論持論ですが・・

誰でも、自宅で生活したい。家族と一緒に生活したいと心では思っていると思います。でもそれが何らかの事情により困難となり、老人ホームを探されるようになる方が大半を占めています。施設で生活していても自宅のような暖かな雰囲気と安全な生活の維持ができ、毎日笑える環境が整っている施設を選ばれると、様々な状況となり変化があっても、力強く対応をしていただけることが多いです。

では、どういうところを見ればよいのか、私なりにまとめてみました。

施設選びのポイント

1. 資料請求を行う

介護情報サイトなどで資料請求ができます。画面に出ているキャッチコピーや、立地、金額などを考慮し、複数の施設から資料請求を行います。

資料(パンフレット)が届いたら、どんなところをチェックすればいいですか?

ほとんどの施設では良いことしか書いていません。内容的に違いはほとんどないと思います。私の施設もその一つです(笑)

池野さん、そんなこと話しちゃっていいんですか(笑)

大丈夫ですよ(笑)
そういう事も含めて、私たちの事を知って欲しいと思っていますから。

とはいえ、何か違いや、見るべきポイントとかあるんじゃない?

そうですね、
その中で私が一番見ていただきたいのは、モデルを使用しているか、実際の施設入居者の方や職員がパンフレット内に出ているかどうかです。自社の職員や入居者様をモデルとするのは信頼関係がないと、許可をしていただけません。信頼関係があるからこそ、パンフレットなどで使用させていただけるのです。
見栄えだけで全く関係のないモデルを使用しているパンフレットの施設はあまり良い印象でないように思います・・ 注:これもあくまでも持論です(笑)

なるほど!施設選びの1つの目安になりますね!
他には? どういうところを見ればいい?

必要な月額の提示がされてるか、その他の費用がどれくらい必要なのか
そういう、金額についても、きちんと書いてあると安心ですね。

届いたパンフレットなどの見るべきところ

 ・パンフレットに自社の職員や入居者様がパンフレットに出ているか。

 ・必要な月額の提示がされているか、その他の費用がどれくらい必要なのか。

2. 実際に施設の見学を行う

パンフレットを見て、ここなら!って施設があったのだけど、どうしよう?

気になる施設が見つかったら、実際に施設見学に行くことが大事です。
まずは、見学の申し込みを行いましょう!

電話をかけるのも緊張するなぁ

見学申し込みをした時の、施設の方の対応も要チェックですよ!
・丁寧な電話対応ができているか
・見学の予約がスムーズに行えるか

見学の予約が完了したら、次はいよいよ施設見学ですね!

そうですね!
それでは、実際に施設に行った時のチェックポイントです。

1実際に施設へ・・・

インターホンを押し「見学申し込みしている〇〇です!」と伝えた時、聞いてないぞ?みたいな態度を取る施設は連携がうまくいっていない可能性がありす。
「お待ちしておりました」などの好印象な対応をする施設は、研修が行き届いています

 
2施設に入ってからの匂い

匂いがする施設は清潔を保てていない危険性があります。今すぐに発生した匂いでなく、染みついている匂いの判別が必要です

 
3職員の笑顔と挨拶

これは本当に大切です。笑顔で働けない職員がいること。なぜそうなるのか必ず理由はあると思います。
見学者の方は、大切なお客様です。入居していただけるかもしれない方々に対し笑顔で挨拶ができない職員がいる施設は言語道断です。
感じが悪いなと感じたらその通りの施設の可能性が高いのです。

 
4説明の様子

施設見学時にいろんな説明を受けることとなります。その際にどれだけ親身になり、発生するリスクの説明があるか、しっかりと話ができる相談員がいるかどうかが鍵となります。入居相談員が入居を進めたいがために、いいことしか言わない。リスクの説明を行ないなどがあると、入居後にもめてしまう可能性があり、不信感に繋がります。見学者の方々も、しっかりとこの場で、疑問に感じることは質問し、クリアにしていくことが大切です。「できない」ではなく、出来ることを探してくれる相談員さんがいることは、施設の自信の現れです。

 
5料金の確認

必ず聞いていただきたいのは、施設費用と介護費用のほかにかかる必要な金額です。
表面的には安く提示してあるにもかかわらず、その他の雑費や必要経費が掛かる施設もあります。その結果、月々の支払いが想像以上に膨れ上がる場合もあるので注意が必要です。
明確な費用の説明が行われない場合は、ちょっと危険な香りがします・・ 

例)洗濯費 リネン交換費 食事オプション(必要でないのにつけないといけない場合もある)ナースコール対応費 居室対応費 ベッドレンタル費  などなど・・

 
6家族様やご本人の要望・サービスの確認

施設の形態により、サービスの中身は多少なりとも違ってきます。
老人ホームの種類や特徴のページを参考にしていただければと思います。

 
施設見学時のチェックポイント

 ・見学予約時の対応。スムーズに予約できるか。

 ・訪問時の施設の方の対応。(受付時や説明時)

 ・職員が笑顔で働いているか、挨拶ができているか。

 ・発生するリスクの説明があるか。

 ・施設費用、介護費用の他に必要な金額があるのかの説明がある。

 ・本人や家族の要望を親身に聞いてくれるか。

3. お看取りに関して

人生の最後を迎えるということを大切に思っているかはとても大切です。
「最後は決してやり直しがきかない。今日あかんかったから明日最後にするわ!!」そんなことができるのであれば、ありがたいのですがそうはいかないのが現実です。
ご本人様やご家族様が望まれるような、お見取りができるのか、医療的にどこまで対応できるのか
しっかりとこの時点で話を聴いておくことは必要です。

人は必ず最後の日が訪れます。
最後の最後に後悔することのないように目をそらすことなくしっかりと向き合っていただきたい。
そしてしっかりと向き合ってくれる施設かどうかは、説明の段階で必ず分かります。

この施設に来てよかったと思えることが皆様の納得と幸せなことだと思います。

4. 契約・入居

契約書を先に確認したいと思うのであれば、その旨を施設に伝えましょう。
施設によって先に渡すことはできないという場合もあります。契約書を一読しておくことは、今後の生活のためにも必要な事かもしれません。契約時、最後に疑問や不安に思っていることを確認し、納得の上、契約を締結することをお勧めいたします。この時点で、何かしら疑問に思うことが残ると、施設に対し心のどこかで疑心暗鬼を生ずることとなり、信頼関係の構築もスムーズにいかない可能性もあります。ただでさえ、家族様も本人様も入居前は多少なりとも不安があると思いますので少しでも不安がないように整えていただきたいと思います。

入居に関しては柔軟に対応してくれる施設が多いと思います。
入居日の相談や、引っ越し時期の相談など 入居者に合わしてくれるのか確認してください
引っ越しに関しては、契約後にしか受けない施設もありますので、先に聞いておく方が賢明です。

 
その他、気をつけて欲しいこと

 ・サービス内容の確認

 ・契約書は入居前に一読しておく。

 ・入居日の相談や、引っ越し時期の相談など、入居者に合わせてくれるのか確認しておく。

 施設での生活は終の棲家となる可能性が高くなります。こんなはずではなかった・・などと後悔がないように、担当となった入居相談員の方からしっかり話を聴き、そして自分の五感を信じること。必ず、「あっ。ここだ」というように自然と思うと聞いたことがあります。迷っている間は、安易に決めない方が賢明なのかもしれませんね・・

 最近では、住宅型有料老人ホームもサービス付き高齢者住宅も以前とは違い、アクティビティが盛んになったり、理学療法士や作業療法士が常駐する機能訓練室を設け、寝たきり防止に努めている施設も多くみられるようになりました。また、医療的な処置が多くサ高住での生活が難しい方や、神経難病で、サ高住などの入居を断れた方も安心して入居できるナーシングホームも多く出来てきており、本当に安心して生活ができるようになってきました。時代は進んでいますね。

 一口に介護施設と言っても、様々な形態があります。体の状態、心身の状態、今後どうなるのか、どうなりたいのか、まずはご本人様やご家族様が十分に話し合い、金銭面のことも踏まえ探されてはいかがでしょうか・・。私も施設入所の相談はよく受けます。一番の望みをお伺いし、情報の提供を行います。高齢者の方々が、積み重ねた歴史を大切に、そしてこれからの人生がおおいに輝き続けられる施設を選んでいただきたいと心より願います。そして、施設での生活が楽しく充実し安心できる毎日が続いていくことを祈ります。

(シニアスタイル 池野)


シニアスタイル施設統括本部長
池野 直美(いけの なおみ)

介護業界に携わり20年
介護支援専門員・介護福祉士・心理カウンセラーなどの資格を持つ。
前職は介護講師として従事し、現在は職員の育成を中心に行っている。

 

自分本位なケアをする介護職員が多いと感じ、「資格取得時に、どんな内容で、どういうカリキュラムで教わっているのか?」と疑問に思ったことから、介護講師となる。

介護講師時代に出会った先輩講師からの教えが胸に突き刺さり、介護現場に復帰。
その後、シニアスタイルに訪問サービスの管理者として就職。
シニアスタイル尼崎・武庫之荘の開設時から関わり、施設長として施設の基盤を作る。

現在は、「介護職のすばらしさ」「本当にすごい仕事だということ」「人の命はかけがえのないものだということ」を信念にもち、職員の育成に努めている。